アストラム西風新都線、500億~570億円を見込む

 12月4日に行われた都市機能向上対策特別委員会で、アストラムライン西風新都線の整備費について、コスト削減を検討した結果、500億~570億円程度になると試算しました(西広島ルート)。

 これまで検討してきたのは、急勾配を採用した場合①8%勾配での登坂能力、②ブレーキの安全性、③建設コストを削減できるかという点と、単線構造にした場合①輸送力の確保、②コストの削減。

 登坂能力については、故障停車した場合に救援可能かということが検討され、下り勾配方向へバックして客を降ろして空車状態にすることによって救援車を連結して8%の勾配を登坂可能であるとされました。また、救援車を全軸駆動化することによっても救援可能としています。ただし、後者の場合は車両コストが1編成8千万円アップします。
 ブレーキの安全性については、回生ブレーキが失効した場合の検討がされ、現状では走行速度を制限してもブレーキパッドの温度が許容温度を超え、走行困難とされました。ただし、必要な設備を設置すれば走行可能とされました。この場合、5億円程度の設備コストが発生します(西広島ルート)。
 急勾配を採用した場合の建設コストは、約15%~20%節約できるとされました。

 また、単線構造にした場合の輸送力の確保については、ピーク時の輸送力は2,574人/時が確保でき、予測の1,140人/時を超えるため輸送力は確保できるとされています(西広島ルート)。
 単線構造でのコストについては約20%~50%節約できるとされています。

 一方、事業費については西広島ルートが500億~570億円、新井口ルートが590億~715億円、五日市ルートが610億~715億円と試算されました。

事業の採算性については、西広島ルートがインフラ外部の設備更新費の2/3程度の補助が必要で補助額は30年間で約60億~75億と試算。新井口ルートと五日市ルートについては設備更新費を全額市が負担しても赤字になるとの検討内容となっています。
 

単線構造とした場合のコストの試算結果

単線構造とした場合のコストの試算結果