アストラム借入金返済資金が不足。市に支援求める

 12月16日に開かれた建設委員会に広島高速交通㈱(アストラムライン)の経営改善計画(案)の概要が報告されました。広島市への支援を要請する内容となっています。

 委員会に示された経営改善計画(案)は2032年度までの計画となっており、2015年春の白島新駅開業効果やアストラム延伸の進捗状況などを踏まえて2016年度には計画の見直すとしています。

 今回の改善計画(案)では、2014年度から建設時の借入金の返済が本格化して資金不足となるため2016年度までの短期的な対応策も示されました。それによると広島市からの無利子借入金については毎年5億円づつ減額してきましたが、14年度から16年度までは今年度と同額の155億円として5億円の返済を猶予。また、広島市からの有利子の長期借入金についても当初の予定額から減額して借入金の一部を繰り延べるというもの。現在の返済可能額は5億円ですが、その5億円についても1億円は広島高速交㈱が収入を確保するための重点的取り組みに投資し、実質の返済は4億円程度となります。

 2017年度以降は、2016年度に計画の見直しを行った後に広島市から具体の支援を求める予定。5つの収支シミュレーションが示されていますが、今後、概ね10年以内には債務超過を解消し、借入金の返済が見込めるとしています。

 一方、広島市は広島高速交通㈱の支援要請に対して、経営を健全化させるための道筋をつける必要があるとして当面2016年度までは高速交通(株)からの支援要請のとおり支援をしていく考えを示しました。

アストラムラインの運営を改善するため市は借入金の猶予などで支援をすることにしています

アストラムラインの運営を改善するため市は借入金の猶予などで支援をすることにしています