市議会のうごき

大都市税財政対策等特別委員会(7月13日)

2010年7月15日 木曜日

   大都市税財政対策等特別委員会が7月13日に開かれました。
 特別委員会では、政令指定都市が共同して行う国への施策及び予算に関する提案内容などの説明がありました。また、広島市独自の国への要望内容、地方分権推進にむけた状況説明なども併せて行われました。

  国に対する施策、予算については、国・地方間の税源配分の是正、大都市特有の税制需要に対応した都市税源の拡充強化、国庫補助負担金の改革、国直轄事業負担金の廃止、地方交付税の改革等をはじめ、保健福祉行政の充実、教育行政の充実、都市基盤の整備促進など17項目について提案することにしています。また、今回初めて、新たな大都市制度「特別自治市(仮称)」の創設についても提案します。

 「特別自治市(仮称)」は、現行の政令指定都市制度を抜本的に見直し、地方が行うべき全ての事務・権限を一元的に行うことができるようにするものです。例えれば、「基礎自治体優先の原則」のもとで広島市の現在の事務・権限に加えて、広島市域での広島県の事務・権限を広島市に委譲するというものです。

  これに対して若林議員は「特別自治市」の具体的内容について質問しましたが、所管する企画総務局長は「これから制度設計していく」と述べるにとどまり、「特別自治市」の人口要件などは未定です。
 大都市制度のあり方などについて各都市で研究がされていますが、名古屋市などでは人口200万人以上を想定して研究をされているようです。したがって、仮に「特別自治市」の制度ができたとしても広島市がそれに位置づけられるかどうかは不透明です。

「特別自治市(仮称)」について質問する若林新三議員

「特別自治市(仮称)」について質問する若林新三議員

第3回定例会(2010年6月10日~22日)

2010年6月23日 水曜日

 第3回定例会が6月10日から22日にかけて開かれ、総額9億5202万円の補正予算を決めました。また、議論の中心となった旧広島市民球場条例の廃止については廃止時期を原案より1ヶ月延ばした修正案を可決しました。 

 補正予算の内訳については、経済危機対策に伴う補正が8億8748万円、一般補正は6453万円。
 経済危機対策では、若者の就業体験事業(7509万円)、特別養護老人ホーム介護補助スタッフ確保事業(4537万円)、障害者支援施設等介護補助スタッフ確保事業(2317万円)、事業者ごみ減量・リサイクル支援事業(3039万円)など緊急雇用創出事業臨時特例交付金等の事業が6億4047万円。救急現場におけるICT利活用事業が2億3203万円などが予算化されました。
 救急現場のICT利活用については住民と医師、救急隊が一体となった救急体制を構築するもので、全国始めての取り組みとなります。

 また一般補正では今年の11月にノーベル平和賞受賞者世界サミットが広島市で開催されることになっており、官民一体となって受け入れ支援を行うために2508万円が予算化されました。

  一方、条例案については、旧広島市民球場条例の廃止にむけた修正案を可決しました。これは、今年8月1日に旧球場を廃止する案が提案されていましたが、夏休みの子どもたちに利用してもらえるようにするために1ヶ月先送りして9月1日に廃止するという修正案です。
 旧球場跡地活用では、新たなにぎわいを創出するために大小様々なイベントが開催できる緑地広場や市民の森、休憩施設となる森のパビリオン、折り鶴ホール、観光バス駐車場、球場メモリアルなどが計画されています。また、商工会議所ビルも東側に移転することになっています。バスセンターと商工会議所ビルなどとはペデストリアンデッキで連絡する予定。森のパビリオンと折り鶴ホールは民間事業者が整備します。
 球場メモリアルは外野ライト側スタンドの一部を保存し公園利用者のための休憩施設(1500席分の客席と200㎡の展望スペース)。市民の球場の一部を残してもらいたいという要望に沿ったものです。2013年(平成25年)春に開催される全国菓子博覧会の会場として利用する予定です。

旧市民球場整備のイメージ

旧市民球場整備のイメージ

 

保存する外野席スタンドから見た市民広場のイメージ

保存する外野席スタンドから見た市民広場のイメージ

2010年度安佐北区の主な普通建設事業

2010年4月20日 火曜日
      事  業  名      予 算 額          説              明
【企画総務局】
区役所耐震改修工事他
携帯電話基地局整備他
辺地共聴施設デジタル化改修事業補助

1億2127万円 4384万円
321万円

  
 安佐北区役所
綾ヶ谷
牛岩地区、堂原河内地区
【市民局】
公民館、集会所整備

1億6629万円

 
安佐公民館増築他
【健康福祉局】
福祉センター整備他
安佐市民病院整備補助
安佐地区夜間救急診療所整備

 2億8995万円
6億15万円
1億6408万円

 
 筒瀬福祉センター他用地取得等(可部4丁目)
【環境局】
大気汚染監視施設整備
ごみ処理施設整備
リサイクル施設整備

 59万円
4億1792万円4770万円

  
可部小学校環境測定局日照計購入
玖谷埋立地拡張整備他
北部資源選別センター建替
【経済局】
農林業基盤整備、民有林整備他
いのしし捕獲棚等設置補助金
小規模崩壊地復旧事業

 4億6763万円

       69万円

     6126万円

 
農・林道、水路整備、民有林整備他電気柵他6ヶ所(可部地区他)
【都市整備局】
公園緑地等整備
安佐動物公園整備

 4570万円
1006万円

  
一般整備
キリン観察テラス設置他
【道路交通局】
道路・街路整備
交通安全施設整備
橋りょう整備
急傾斜地崩壊防止対策
河川改修等
JR可部線の輸送改善

 12億3191万円
3億4821万円
2億円
9186万円
2億5849万円5043万円

 
勝木安古市線他
歩道新設・改良、交通安全施設
第三太田川橋
落合南7丁目他8地区
山倉川、岩上川他
実施設計他
【消防局】
消防施設整備

 4億692万円

 
可部地区消防出張所建設他
【教育委員会】
小学校整備
中学校整備
幼稚園整備
児童館整備

 1億1243万円7078万円
383万円
1億1475万円

  
校舎耐震補強工事他
校舎耐震補強工事他
一般整備
口田児童館新設他
【下水道】
公共下水道整備他
市街化区域外汚水処理施設整備

 13億2722万円
8億2115万円

 
可部地区他5900m、ポンプ場整備他
可部地区他6900m、ポンプ場整備他  
【水道局】
排水施設整備

 5億3553万円

 
配水管布設 10401m可部地区他
【病院事業局】
安佐市民病院整備 

 8億2570万円

  
医療機器購入他

第2回臨時会(2010年3月31日)

2010年4月1日 木曜日

  第2回臨時会が3月31日に開かれました。3月26日に成立した2010年度予算の市議会での修正議決について秋葉市長が拒否権を発動し、再議に付したものです。普通の議決は過半数で決することになりますが、再議では3分の2以上の賛成が必要になります。

  採決の結果、第1回定例会で修正されたオリンピック招致検討費、折鶴ミュージアム検討費、ロシア等への2020ビジョン推進のための旅費の削除については賛成が3分の2以上に達しなかったため否決されました。

 その後、改めて、議長会派から100万円余りを減額した修正案と、第1回定例会で修正案を提案した自民党系の会派からの修正案の2つの修正案が提案され、議長会派から提案された修正案が賛成多数で可決されました。

  議長会派が提案した修正案は秋葉市長が提案していた原案に近いもので、第1回定例会で原案に賛成した市民連合などの会派に加えて、第1回定例会では原案に反対していた公明党が賛成したために過半数を超えて可決したものです。

  市長が市議会の議決を再議に付したのは、広島市では1968年以来42年ぶりとなります。

第1回定例会(2月16日~3月26日)

2010年3月26日 金曜日

  2010年の第1回定例会が2月16日から3月26日にかけて開かれ、総額1兆1473億円、一般会計5916億円の2010年度予算を決めました。

  今回の予算特別委員会では、旧広島市民球場の解体と跡地利用、2020年ひろしまオリンピック招致活動、若草地区再開発に対して40億円の無利子貸付、過疎が進む地域の小学校統廃合、などについて議員から厳しい指摘も出されました。

2010年度の予算を決めた第1回定例会

2010年度の予算を決めた第1回定例会(本会議)

  旧広島市民球場の跡地活用については4年かけて議論が行われ、150万人以上の集客をめざすイベント広場として整備する方針が示されており、そのための旧球場の解体費用などが提案されていました。これに対して一部の会派からは、「全体の合意ができていない」などの意見が出されましたが、修正案は提案されず、解体費用は予算化されました。

 また、2020ひろしまオリンピック招致活動については、「財政的な余裕がなく、実現が困難」として、招致の可能性を検討する費用を削除する修正案が提案され、僅差で可決されました。

 広島駅新幹線口の若草地区再開発事業への40億円の無利子貸付についても、事業が失敗した場合のリスクが大きいことなどが指摘されました。修正案は提案されず、今後、議会に対して状況を詳細に報告するよう求める決議案を採択しました。

完成真近の広島駅新幹線口の若草地区再開発事業

完成真近の広島駅新幹線口の若草地区再開発事業

 小学校の統廃合については、1月の文教委員会で中区の基町小学校、安佐北区の小河内小学校、久地小学校、井原小学校、志屋小学校の5つの小学校を統廃合する教育委員会の考え方が示されていたものです。これに対して、小学校は地域の中核施設であり、統廃合は地域の活力を失わせることにつながるとの強い懸念が示されました。

  一方、若林新三議員は予算特別委員会で文教関係、厚生関係、建設関係の3つの分野で質問に立ちました(前述)。

 文教関係では、教員のサポート体制、学校事務、学校業務、留守家庭子ども会などについて質問し、子どもたちの教育環境の充実を求めました。
 厚生関係では黒い雨の降雨地域(第1種健康診断特例区域)の拡大、安佐市民病院の充実などについて質問し、取り組みの強化を求めました。
 建設関係では、過疎対策を総合的に行う「里ライフ創造施策クロスセクション」の役割、市内電車の速達性の向上や広島駅前大橋線など新規路線の開設、可部バイパスの事業促進などについて質問しました。特に過疎対策については、小学校がその地域のまちづくりの中核的施設でもあることから、地元の合意がなければ強引な小学校の統廃合は行わないよう求めました。

  定例会最終日の3月26日には本会議で採決が行われ、広島市2010年度予算を決定しました。予算案については、一部会派から、①市長が開設をめざしている「折り鶴ミュージアム」の検討費用の削除、②2020ひろしまオリンピック招致の可能性を検討するための経費の削除、③2020年に核兵器の廃絶をめざす活動の一環として秋葉市長がロシアを訪問する経費の削除、の3点について修正案が提案されました。採決の結果、僅差ではありましたが修正案が賛成多数で可決されました。 

定例会最終日の採決で、予算の修正案に対して反対の立場で討論する若林新三議員

定例会最終日の採決で、予算の修正案に対して反対の立場で討論する若林新三議員

 一方、旧市民球場条例を廃止する議案については、賛成少数で否決されました。解体費用については予算が決定されたものの、条例が残ったために所長や職員など置かなければならず、職員の人件費は予算措置されていないため矛盾がおきる結果となりました。さらに、旧球場を残すことになれば、職員の人件費以外に年間6000万円の維持費が必要となります。 

 若林新三議員の所属する市民連合は、オリンピックにしても折り鶴ミュージアムにしても市内部での検討段階であるため、正式に市当局が事業案として示した段階で議会として判断すべきものであり、検討すら否定することはできないとの立場で原案に賛成し、修正案に反対しました。
 また、旧市民球場についても、早急に賑わいの場所として整備する必要があることから条例の廃止に賛成しました。